不眠症
夜間の睡眠が十分にとれず、日中に眠気を感じたり疲れが残ったり影響が生じる状態のことです。集中力が落ちたり、イライラしたり落ち込みやすくなることもあります。
不眠症のタイプ
1:入眠障害(寝つきが悪い)
寝つくのに30分〜1時間以上かかり、本人がそれを苦痛に感じている。
2:中途覚醒(途中で目が覚める)
寝ている途中で何度も目が覚めたり、再び寝るのに時間がかかる、またはその後眠れない。
3:早朝覚醒(早く目が覚める)
起きたい時間より早く目が覚めてしまい、その後眠れない。
不眠症の原因
- ストレス要因や心配事があり夜寝る時に考え込んでしまったり、スマートフォン、パソコンやオンラインゲームなどでの夜更かし、遅い時間のカフェイン摂取、昼寝のし過ぎ、などの生活習慣の乱れによって起こることもあります。寝酒も睡眠の質を悪化させることが知られています。
- うつ病や不安障害などのこころの病気にも症状として不眠を伴うものが多いです。
- 喘息や慢性閉塞性肺疾患、痛みを伴う疾患、皮膚疾患、更年期障害などの体の病気や不調でも不眠が起こることがあります。
- ステロイドや血圧の薬、パーキンソン病の薬などの体の病気で服用している薬の影響で不眠が起こることもあります。
対処法や治療
- まずは生活習慣の改善が重要です。具体的には、寝る時間と起きる時間を一定にする、寝る直前のスマートフォンやパソコンの使用を控える、夕方以降のカフェイン摂取を控える、寝る直前の入浴は控える、昼寝は30分以内にする、バランスの良い食事をとる、日中適度に体を動かす、出来れば午前中に日光を浴びる、音楽を聴く、本を読む、ストレッチをするなど寝る前のリラックス習慣を作る、寝酒は出来るだけ控える、などがあります。
- これらを試しても不眠が改善しない場合は睡眠薬の服用を検討します。その場合も、出来れば一般的に多く処方されているベンゾジアゼピン系の睡眠薬よりは、より新しく習慣性のリスクが低い睡眠薬の方が望ましいです。
その他の睡眠の病気
不眠症の他にも、寝過ぎてしまう過眠、睡眠リズムの障害、むずむず脚症候群(足がむずむずして眠れない)、睡眠時無呼吸症候群(睡眠中頻繁に呼吸が止まったりひどいいびきをかく)、レム睡眠行動障害(寝ている間に夢に影響された行動を実際にとってしまう)、などがあります。
当院でも不眠症はもちろん、それ以外の睡眠関連の疾患にもある程度は対応していますが、疾患によってはより専門的な検査や睡眠専門の医師の診察が必要な場合があります。その際は近隣の専門機関をご紹介致します。