うつ病
気分の落ち込みや意欲の低下、疲れやすさ、食欲不振、不眠(時に過眠)、不安やイライラ、物事を楽しめない、悲観的になる、死にたい気持ちになったり自分を傷つけたくなる、などといった症状が2週間以上続き、それらが体の病気(例えば甲状腺ホルモンの病気でうつ状態になることもあります)や薬やアルコールによる影響ではないことを確認して診断します。同じようなうつ状態を過去に何度も繰り返していないか(反復性うつ病)、その間に逆に気分がたかぶり過活動になっていた時期はないか(双極性障害だった場合は治療が異なります)を確認することも重要です。
脳の神経のバランスが崩れて起きていることはある程度分かってきていますが、完全には解明されていません。明らかな外的ストレス要因がある場合も、はっきりしないこともあります。
治療
治療は休養(特に初期にしっかり休むことは重要です)と薬物療法(脳の神経のバランスを整える作用がある抗うつ薬を中心に使います。効果が出るまでに少し時間がかかります)が中心になります。
物の見方や受け止め方、対人パターン、行動パターンを見つめ直すために、診察の中で認知行動療法の考え方を助言したり、より本格的なサイコセラピー(カウンセリング)を併用することもあります。生活のリズムや環境を整えること(しっかり睡眠をとる、栄養バランスの良い食事をとる、余裕が出てきたら適度に体を動かす、など)も大切です。
回復には時間がかかることもありますが、基本的には治る病気です。ただし再発することもあるので要注意で、症状が良くなってもすぐに服薬を止めず、最低でも半年ぐらいは継続して様子を見ることが重要です。